学生発表賞・Fly High Award・会長賞について

学生発表賞は、故松井泰先生のご遺族からのご寄付を、若い研究者の研究奨励に利用させて頂こうという趣旨で、2010年度より始まりました。2021年度にはさらに登田隆先生からもご寄付をいただき、副賞に利用させていただいております。

さらに2022年度より杉浦麗子先生のご寄付をいただきまして、学生発表賞に「Fly High Award(FHA)」が加わりました。Fly High Awardでは学生発表賞の優秀者一名に対して国際学会参加費を助成します。学生発表賞、FHAの概要は以下の通りです。

【学生発表賞】

  • 酵母遺伝学フォーラムの公式な表彰として、「酵母遺伝学フォーラムポスター賞」を第43回研究報告会から設立する。
  • 第48回研究報告会から、「酵母遺伝学フォーラム 学生発表賞」とし、賞の対象をポスター発表と口頭発表にする。
  • 本賞は、研究報告会での口頭発表もしくはポスター発表する学生を対象とする。
  • 本賞の審査を希望する者は、研究報告会の要旨提出時にエントリーする。
  • 学生発表賞の選考委員は、口頭発表部門では、優れた発表内容の2題を学生発表賞(口頭発表部門)候補として選抜して投票する。ポスター発表部門では、対象とするポスター発表全体から、優れた発表内容のポスター2題を学生発表賞(ポスター発表部門)候補として選抜して投票する。
  • 得票数の多い口頭発表の上位若干名、ポスターの上位若干名(どちらも20演題に1題程度を目安とする)に酵母遺伝学フォーラム 学生発表賞を授与する。
  • 選考方法、実施方法の詳細ついては、学生発表賞担当者を中心に運営委員による合議で決定する。

【Fly High Award】

  • 審査対象者:学生発表賞口頭発表者のうち希望者
  • 国際学会参加経費実費を30万円を上限として支援する
  • 受賞者は、次年度の研究報告会に現地参加して講演(内容は一年間の研究進展、国際学会参加報告)を行う。この際、受賞者が講演とは別に通常の演題発表を行う場合、その参加費は受賞者が支払うが、演題発表を行わない場合には支払いの必要はない。

<副賞・国際学会助成について>

  • 30万円を上限として渡航費、学会参加費、宿泊費の実費を助成する。

ⅰ) 渡航費
  最寄りの空港までのバス・鉄道運賃(50Km以上は特急の使用を可)と往復航空運賃(エコノミークラス)及び
  諸経費(各国政府・空港によって課せられる税金・手数料,航空保険特別料金及び燃油特別付加運賃)の実費分

ⅱ) 宿泊費
  国際学会の開催期間内の宿泊費実費分を支給する。ただし,開催日の前泊分を含め、
  1泊につき国外15,000円、国内10,000円を上限とする。

  • 受賞年度および翌年度中の国際学会での発表を原則とするが、国際学会が隔年開催の場合や、開催が延期となった等のやむおえない場合のみ翌々年度まで延期を可とする。

学生発表賞・Fly High Award・会長賞受賞者

第57回

学生発表賞
Fly High Award
難波 匠太郎(岡山大)「限界発現系により創発した新奇の細胞内構造体ゴルゴン」
【口頭発表部門】
優秀口頭発表賞 久保田 満聖(大阪大)「オートファジーによるtRNA分解と分解産物の細胞外排出メカニズムの解析」
優秀口頭発表賞 芥子 舞(大阪公立大)「分裂酵母においてミトコンドリアが胞子へ分配されるメカニズムの解明」
口頭発表賞 加藤 祐介(青山学院大)「酵母の高圧増殖に必須なEhg1の役割:トリプトファン輸送体Tat2の脂質ラフト安定化」
口頭発表賞 長井彩音(香川大)「スフィンゴ脂質量に依存した転写因子Com2の分解制御機構の解析」
【ポスター発表部門】
優秀ポスター発表賞 川嵜 紗矢佳(広島大)「出芽酵母のSAM輸送に関与すると予想されるSsg1による寿命延長メカニズム」
優秀ポスター発表賞 奥井美奈(名古屋大)「分裂酵母に対するTschimganineの生育阻害作用とその標的因子の解析」
ポスター発表賞 樋口貴士(岐阜大、九州大)「cis二重結合含有スフィンゴ脂質に構造置換された出芽酵母の形質膜異常表現型」
ポスター発表賞 工藤伽那子(東京理科大)「出芽酵母におけるアクチンケーブルを介した細胞極性の形成機構の解明」
会長賞
神 唯(日本歯科大学)「液胞はどのように形成されるか?」

第56回

学生発表賞
Fly High Award
HAO Li (東京大学) 「ER-オートファゴソーム膜接触部位における非小胞性脂質輸送の可視化」
【口頭発表部門】
優秀口頭発表賞 加藤 黎 (名古屋大学) 「分解及び局在に着目した細胞壁合成関連因子Dse3の動態制御機構の解析」
口頭発表賞 藤本 尭玄 (広島大学) 「核外輸送シグナルの過剰発現による核肥大化メカニズムの解析」
口頭発表賞 王 晨薇 (東京大学) 「ヒト化酵母を用いたRHOA変異による発癌機構の研究」
【ポスター発表部門】
優秀ポスター発表賞 Philipp Schlarmann (広島大学) 「Membrane contact sites with lipid droplets stimulate non-vesicular transport of ceramide」
ポスター発表賞 佐藤 恵 (筑波大学) 「RNA 結合タンパク質Puf5による細胞壁関連遺伝子 YGP1 の発現制御機構」
ポスター発表賞 山縣 里美 (九州大学) 「翻訳抑制による複合スフィンゴ脂質生合成破綻に対する抵抗性付与」
ポスター発表賞 中川 知寛 (香川大学) 「分裂酵母を用いたアグマチン誘導性分子機構の解析」
会長賞
神 奈亜子 (理化学研究所)「膜交通のダイナミクスの真実に迫る:酵母 RUSH 法開発とライブセルイメージングへの応用」
堀籠 智洋 (東北大学)「相同組換え修復におけるホモロジー・サーチの動態解析」

第55回

学生発表賞
Fly High Award
菊田浩希(山口大学)「塩基配列依存的な発現抑制とイントロンによる抑制回避に関与する遺伝子の探索」
【口頭発表部門】
優秀口頭発表賞 久保田満聖(大阪大学)「Get1/2 複合体はPpg1-Farホスファターゼ複合体を小胞体へ局在させることでマイトファジーに寄与する」
口頭発表賞 安東稜子 (京都工芸繊維大学)「スキャニング因子 Ded1 の凝集・再生を介した高濃度エタノールストレス下での翻訳活性制御」
口頭発表賞 的野志帆 (関西学院大学)「分裂酵母の環状化染色体細胞を用いた遺伝子発現解析」
口頭発表賞 井上紘一 (京都大学)「Komagataella phaffiiにおける転写因子Mxr1のメタノール濃度に依存したリン酸化制御」
【ポスター発表部門】
優秀ポスター発表賞 喜多村直輝 (岡山大学)「特定のアミノ酸が連続した配列(PolyX)は細胞毒性を示す」
優秀ポスター発表賞 杉山友貴 (九州大学)「Cas9 変異体を用いて長大なゲノム領域の重複を誘導する」
ポスター発表賞 益村晃司 (広島大学)「出芽酵母の寿命を制御する液胞膜局在性トランスポーターの機能解析」
ポスター発表賞 安田悠莉 (東京工業大学)「オートファジーに必須の Atg1 複合体と Atg2-Atg18 複合体の相互作用の解析」
ポスター発表賞 村瀬裕一 (早稲田大学)「分裂酵母 Dis1 は動原体微小管の短縮を引き起こすことで染色体を運搬する」
ポスター発表賞 新原麻結 (九州大学)「ガラクトース資化能を有する分裂酵母変異株の遺伝子発現解析」
会長賞
清家泰介 (大阪大学)「pH変化によるフェロモン活性の変動と種分化に与える影響」
河野恵子 (沖縄科学技術大学院大学)第55回研究報告会世話人としての貢献

第54回

学生発表賞
【口頭発表部門】
優秀口頭発表賞 中川悠太 (東大院・理学)「微小液滴による Saccharomyces cerevisiae の培養と高速分取」
口頭発表賞 坂田健太郎 (香川大・農)「Eisosome に局在する Pil1 と 4 回膜貫通タンパク質(6-Tsp)は TORC2- Ypk1 経路を制御することで SDS 感受性に関与する」
口頭発表賞 小倉佑季 (名大院・理 )「娘細胞特異的因子 Dse3 はグルカン層の構築を正に制御する」
口頭発表賞 正垣佑樹(早大院・生命医科)「動原体因子 Mis6 は分裂期に CENP-A のセントロメア局在を維持する」
【ポスター発表部門】
優秀ポスター発表賞 古賀綾乃(九大院・理)「出芽酵母における複合スフィンゴ脂質多様性の生物学的意義の総合的解析」
ポスター発表賞 中村凜子(基生研)「分裂酵母のヒストンメチル化酵素Clr4の活性制御機構の解析」
ポスター発表賞 酒井啓一郎(総研大、基生研、ExCELLS)「近赤外蛍光タンパク質iRFPによる分裂酵母の細胞内タンパク質の可視化法の確立」
ポスター発表賞 中尾拳典(東大院農・応生工)「ステロール標的型天然物セオネラミドによるアクチン骨格と膜輸送の変調」
会長賞
岸本拓磨(北大・遺制研)「細胞膜リン脂質非対称性の生理的意義の解明」
作野剛士(阪大・生命機能)「減数分裂期コヒーシンを介した染色体高次構造形成機構の解析」

第53回

学生発表賞
【口頭発表部門】
優秀口頭発表賞 平田篤司(香川大学)「リン酸化によって活性化される青枯病菌エフェクターRipAAの機能解析」
口頭発表賞 福永嵩大(九州大学) 「Schizosaccharomyces pombeの10個の推定ガラクトース転移酵素の機能解析」
口頭発表賞 藤井瑠唯(千葉大学) 「高浸透圧ストレス時のTORC1-Sch9と脂質ドメインの共役制御機構の解析」
【ポスター発表部門】
優秀ポスター発表賞 大谷一真(千葉大学) 「出芽酵母におけるMatαタンパク質の量的効果」
ポスター発表賞 吉田雅偲(京都工芸繊維大学) 「酵母のタンパク質品質管理における高濃度エタノールへの適応応答」
ポスター発表賞 黒田彩月(東京工業大学)「選択的オートファジーの新規標的の探索」
ポスター発表賞 松本惇志(東京大学) 「アルコールは人工脂質膜小胞のマイクロドメイン形成を阻害する」
ポスター発表賞 佐藤 恵(筑波大学)「RNA結合タンパク質Puf5はCLB1遺伝子の正の発現調節を介して細胞周期の進行に関与する」
ポスター発表賞 八田佳子(名古屋大学) 「分裂酵母における硫黄枯渇による細胞小型化の解析」
会長賞
鎌田芳彰(基礎生物学研究所・助教)「出芽酵母トア複合体1 (TOR complex 1) とtRNAの相互作用の解析」
松尾芳隆(東北大学・薬・助教)「RQT複合体による異常な翻訳停滞の解消機構」

※小林武彦会長、世話人の中戸川仁先生、岩崎博史先生と記念撮影

第52回

学生発表賞
【口頭発表部門】
佐伯望(岡山大学)(優秀口頭発表賞)「過剰発現が高温環境で適応的にはたらく遺伝子の体系的探索」
河岡辰弥(東京大学)(口頭発表賞)「出芽酵母におけるオートファジー関連構造体の網羅的形態解析」
小松楠於(香川大学)(口頭発表賞)「出芽酵母スフィンゴ脂質代謝制御に関わる機能未知転写因子Mlm2の機能解析」
【ポスター発表部門】
福井理沙子(東京大学)(優秀ポスター発表賞)「出芽酵母の細胞集団中に含まれる巨大細胞の解析」
久保田満聖(静岡大学)(優秀ポスター発表賞)「出芽酵母でのリボファジー分解の実態の解析」
德永苑子(筑波大学)(ポスター発表賞)「分裂酵母におけるアクチン繊維構造の可視化」
増田大輝(大阪市立大学)(ポスター発表賞)「分裂酵母の胞子表面にあるデコボコ構造の形成に関与する遺伝子の特定と解析」
荒木美彩子(広島大学)(ポスター発表賞)「糖脂質リモデリングによるGPIアンカー蛋白質のソーティング機構」
森日香里(九州大学)(ポスター発表賞)「分裂酵母に特有なアルカリストレス応答経路の解析」
梅田知晴(長浜バイオ大学)(ポスター発表賞)「出芽酵母のポリリン酸ホスファターゼによる分裂寿命制御」
佐藤哲平(名古屋大学)(ポスター発表賞)「アミノ酸枯渇に応答する分裂酵母の経時寿命延長因子Ecl1 Family遺伝子の解析」
会長賞
飯田哲史(東京大学・定量研・助教)「S. cerevisiaeSIR2遺伝子領域における新規遺伝子とその機能」
佐藤亮介(近畿大学・薬・講師)「RNA結合タンパク質Pumilio によるイノシトールリン脂質代謝経路の制御」
谷川美頼(浜松医科大学・医・助教)「細胞内グルタミン検知機構の解析」
福田智行(新潟大学・医・准教授)「分裂酵母のTOR複合体1を制御する複数の経路」
会長特別感謝賞受賞者
酵母遺伝学フォーラムの運営強化作業とホームページ立ち上げにおける多大な貢献に対して、感謝の意を表して授与。
広報 阿部文快(青山学院大学・理工・教授)
会計 中村太郎(大阪市立大学・院・理・教授)

第51回

学生発表賞
【口頭発表部門】
【口頭発表部門】 箕面凪砂(大阪市大) (優秀口頭発表賞)「F-BARドメインタンパク質による胞子細胞膜の陥入構造形成」
【口頭発表部門】 久保佳蓮(東京大) (口頭発表賞)「出芽酵母のネック幅を保持する生物学的意義」
【口頭発表部門】 南部将志(静岡大) (口頭発表賞)「減数分裂型キネトコア形成にはセントロメアコアとキネトコアの結合が必要である」
【口頭発表部門】 露崎 隼(早稲田大) (口頭発表賞)「分裂酵母胞子の1細胞RNA-seqによる細胞周期始動時の発現変動プロファイリング」
【ポスター発表部門】
【ポスター発表部門】 坂田健太郎(香川大) (優秀ポスター発表賞)「Eisosome構成タンパク質Pil1とSur7-familyタンパク質は協調的にカルシニューリン経路を制御する」
【ポスター発表部門】 松澤みのり(東京理科大) (優秀ポスター発表賞)「出芽酵母プロフィリンPfy1pによるアクチン仲介型エンドサイトーシスの制御」
【ポスター発表部門】 生田実沙(京都大) (ポスター発表賞)「多隔壁形成や細胞伸長におけるスフィンゴ脂質の重要性」
【ポスター発表部門】 江口優一(岡山大) (ポスター発表賞)「タンパク質の発現限界を測る遺伝学的手法TOW-Fu」
【ポスター発表部門】 竹内亜美(大阪大) (ポスター発表賞)「真核生物における線状染色体形成の役割」
会長賞
丑丸敬史(静岡大学・院・総合科学技術・教授)「飢餓に応答したrDNAの凝縮がヌクレオファジーに影響する」
高山優子(帝京大学・理工・准教授)「油脂生産酵母の分子遺伝学解析の試み」
吉田知史(早稲田大学・国際教養・准教授)「“型破りな分泌”を制御する遺伝子群の網羅的同定」
第50回
【口頭発表部門】 竹内美穂(大阪大学) 「RNA splicing を介したテロメアタンパク質の新規発現制御メカニズムの発見」
【口頭発表部門】 衣笠泰葉(大阪大学) 「分裂酵母核膜タンパク質Lem2とBqt4の協調的機能の解析」
【ポスター発表部門】 中村 毅(東京大学) 「出芽酵母前胞子膜伸長における PI4P の役割の解析」
【ポスター発表部門】 松澤みのり(東京理科大学)  「アクチン調節因子Srv2pとプロフィリンによるクラスリン被覆小胞形成の制御機構」
第49回
【口頭発表部門】 加藤沙枝(京都工芸繊維大学) 「高濃度エタノールストレス下で優先的に翻訳される遺伝子BTN2の解析」
【口頭発表部門】 長谷川雄大(大阪大学) 「テロメアによるDNA複製タイミング維持機構」
【ポスター発表部門】 志摩喬之(東京工業大学) 「オートファジーにおける膜の核形成と伸張機構の解析」
【ポスター発表部門】 岡崎雅紀(広島大学) 「既知のキネシンに依存しない染色体分配機構の解明」
第48回
小川貴史(広島大学) 「出芽酵母のSSG1長寿変異株における寿命制御機構の解析」
神谷勇輝(香川大学) 「分裂酵母のERGIC様コンパートメントに局在するEmp43の解析」
河添希美(京都工芸繊維大学) 「酢酸による小胞体ストレス応答の誘導」
第47回
池田敦子(広島大学) 「テロメアクラスターのスフィンゴ脂質のよる制御とその役割」
石川浩史(岡山大学) 「遺伝子発現量の乱れを補正する機構のシステマティックな解析」
第46回
中野明美(広島大学) 「分裂酵母のテロメア機能不全はスピンドルチェックポイントを活性化する」
仲田瑛亮(東京理科大学) 「アクチン結合タンパク質Srv2pのエンドサイトーシスにおける役割」
山本 航(東京理科大学) 「出芽酵母mRNA3'UTR欠損変異体ライブラリーを用いたエンドサイトーシス関連タンパク質の網羅的な解析」
第45回
松原央達(静岡大学) 「分裂酵母のオートファジーは減数分裂において染色体分配と進行の制御に関わる」
石井みどり(東京大学) 「S. cerevisiae のゴルジ体槽成熟機構のライブイメージング」
第44回
金高令子(岡山大学) 「Dosage sensitive gene のパートナー分子の同定」
水谷文哉(熊本大学) 「分裂酵母のセントロメアへテロクロマチン形成における基本転写因子複合体TFIIH構成因子Ptr8pの関与」
第43回
坪井達久(名古屋大学) 「Pab1pによる翻訳非依存のmRNA安定化機構」
椿山諒平(広島大学) 「出芽酵母における新規寿命制御因子の探索と機能解析」
第42回 (非公式)
大井麻沙子、松浦彰(千葉大学) 「出芽酵母のカロリー制限による寿命延長におけるUTH1の機能」
永野 愛、松浦彰(千葉大学) 「倍数性による細胞サイズ制御機構の解析」